日本に初めて西洋の味を伝えてくれた、ポルトガル。“天ぷら”や“カステラ”を最初に食べた日本人はさぞ感激したことでしょう。そんなポルトガルとの貿易で栄えた長崎の佐世保で生まれた銘菓が「ぽると」です。昭和29年に誕生したというこのお菓子は、地元の方から長きにわたり愛され続けています。
銘菓と言えば、お土産のイメージが強いですが、「ぽると」は地元の方が自分のために購入するケースが多いそう。今回はそんな長崎県民を虜にする銘菓「ぽると」を手がける『ぽると総本舗』の「オンワード・マルシェ限定 焼き菓子詰め合わせ」をお取り寄せしてみました。
和風の落ち着いた色味の紙袋に入って到着したこちらの詰め合わせ。袋を開けると一転、鮮やかな青い箱が目を引きます。このギャップには、思わず「おっ!」と嬉しい驚きを感じました。和洋折衷な味わいの『ぽると総本舗』のお菓子のイメージにぴったりです。他ではあまり見かけない、それぞれのパッケージのノスタルジックな雰囲気も気に入りました。
5種のお菓子をお皿に並べれば、色んなお菓子の味わいを楽しむ喜びもひとしお。カステラから生まれた「カステララスク」や、ココアクッキーにチョコレートがサンドされた「南蛮焼き」などポルトガルテイストなネーミングも絶妙で、不思議と愛着が湧いてきます。島原産の卵を使用したりと、地元食材と手作りにこだわって丁寧に作られた「焼菓子詰め合わせ」。こんなお菓子がお家にあれば、おやつの時間が待ち遠しくなりそうです。
噂の銘菓「ぽると」は、柚子風味の餡をビスケットで包んだ和洋折衷なお菓子です。おとなしい見た目で、味わいの想像がつきにくいな、なんて思いながらとりあえずパクリ。まず驚いたのはその柔らかさ。外のビスケットはしっとり柔らかで、中の餡と見事に調和しています。マカロンが大好物の私にとっては、まるで極上の和風マカロンのよう。しかし上品な甘味と柔らかさは上質な和菓子のようにも感じられます。これはお年寄りから子供にまで愛される味だな、と人気の秘密がしみじみよく分かりました。60年以上前に生み出された味、とは信じられないほど斬新な美味しさに溢れています。まだ食べたことのない方には、ぜひ一度食べていただきたいですね。
同じく和洋折衷な菓子が「マリアン」です。こちらも何も考えず口に運び、舌に感じる和の甘味に驚きました。見た目は完全にマドレーヌながら、なんと底面に薄く白餡が敷かれています。これが不思議なほどレモン風味のマドレーヌと合うのです。気づけば和×洋×柑橘の法則は「ぽると」と同じ。こちらも私は大好きな味わいで、すっかりファンになってしまいました。
「ぽると」を考案した祖父に代わり、現在はその孫にあたる近藤英三さんが『ぽると総本舗』の社長を務めます。そんな近藤さんの“地元で愛される菓子を、そして地元を代表する菓子を”という思いの詰まった「焼菓子詰め合わせ」。ギフトにももちろんオススメですが、私は家でお茶をいれつつ、1人でゆっくり味わいたいなと思います。