独眼竜という異称で知られる戦国大名、伊達政宗。仙台藩の初代藩主でもあり、宮城県仙台市内には馬に乗った銅像が建てられています。さて、皆さんはこの有名な武将にまつわる宮城県の名物をご存知でしょうか。宮城県と言えば牛タンを思い浮かべるかもしれませんが、正解は笹かまぼこになります。
笹かまぼこが誕生したのは明治時代。今ではタラのすり身を使うことが多いですが、当時大量に水揚げされたヒラメを使って一つのかまぼこが作られました。それが笹かまぼこの始まりになります。
販売当初はその形状から、“べろ(舌)かまぼこ”や“手のひらかまぼこ”などと呼ばれていましたが、昭和になると、伊達家の家紋である“笹に雀”にちなみ、“笹”かまぼこと呼ばれるようになったのです。
宮城県塩竈市にある『橋本蒲鉾店』は、笹かまぼこを手掛けるメーカーの一つ。手焼きにこだわり、一枚一枚丁寧に職人の手で焼き上げられています。
今回取り寄せた「手焼き笹・チーズ10枚セット」も、こだわりの製法で作られた逸品。届いた箱にも、白い巻紙に手焼きであることが記されていました。贈答用にもぴったりの品のあるパッケージですね。
開封すると重箱のように上下二段に分かれており、手焼き笹かまぼこと、チーズ入り手焼き笹かまぼこが5個ずつ、それぞれの箱に並んで現れました。個包装から取り出して早速いただいてみましょう。
まずその大きさに驚かされました。スーパーやコンビニなどで売られている笹かまぼこは、平たくて薄く、まさに笹の葉のような形状をしているのが一般的ですが、今回の逸品は厚みがあり、まるで小さなラグビーボールのよう。歯で感じる弾力が凄まじく、サクッとした食感の後に、モチモチの歯応えがあるのです。
手焼き笹かまぼこの味付けは極めてシンプルで、タラのすり身の優しい甘味を素直に味わうことができます。これは、わさび醤油でいただくのがオススメです。逆にチーズ入り手焼き笹かまぼこは、チーズのコクと甘味で味の輪郭がしっかりしているので、そのままいただくのがいいでしょう。
チーズ入り手焼き笹かまぼこを食べやすいサイズに切り、ひと手間加えてオリーブオイルで焼いてみました。熱を加えるとすり身の甘味が際立ったのは新しい発見。そこにオリーブオイルの風味と焼き目の香りが加わり、さらにカリッとした食感もアクセントになることで、まったく異なる味わいに変化しました。赤ワインとのマリマージュも抜群。これはぜひ試していただきたいアレンジです。
「手焼き笹・チーズ10枚セット」は一つひとつが本当に大きいので、切り分けて盛り付けるといいでしょう。それでも損なわれることがないプリプリの食感はまさに圧倒的。お酒のつまみに、食事のおかずに、小腹が空いたときにいただいても、満足すること間違いなしです。