お腹がペコペコになった時、無性に食べたくなってしまうもの。私にとって、中華がまさにそれ。ランチの前にオンワード・マルシェで見かけた画面いっぱいに広がる餃子や焼売に、すっかり心を奪われてしまいました。思わず注文したのは『宮の森れんげ堂』の「点心爛漫 蓮華セット」。食いしん坊な我が家にピッタリのボリューム感も気に入りました。これなら最後のひとつの餃子を争う心配も無用、心ゆくまで中華を堪能できそうです。
お取り寄せグルメが大好きな私ですが、中華のお取り寄せは初めて。今回、お取り寄せした『宮の森れんげ堂』は、北海道にある心と体の健康をテーマにした広東料理のお店です。オーナーシェフの廣部さんは、点心の神様と呼ばれる欧陽炳堅(オーヤン・ピンキン)さんに師事した後に独立。北海道の食材を取り入れた、本場香港の味を伝えるお店として人気を集めています。
焼売と言えばもっぱらレンジでチンの冷凍品にお世話になってばかりのズボラな私。しかし同封されていた「点心の美味しい食べ方」には「電子レンジでは美味しくできません!」と明記されているではありませんか! 「それならば」と気合が入り、棚の奥に眠っていた蒸籠を引っ張り出してきました。
「蓮華セット」は餃子・小籠包・焼売・饅頭と盛りだくさんの6種の詰め合わせ。それぞれに違った蒸し時間が設定されています。蒸籠が小さかったのでまずは蒸し時間の同じエビ蒸し餃子と、ニラまんじゅうのみを蒸すことに。立ち込める湯気と木の香り、蒸しあがったエビ蒸し餃子はいかにもプリプリで美味しそう! これはとても自分では作れません。
蒸し上がったニラまんじゅうは、さらにフライパンで焼き目をつけます。理想はもう少ししっかりと焼き目をつけたかったのですが、ついソワソワしてしまい写真のような仕上がりに。ですが、もちもちの皮にニラの香りが広がるジューシーな餡はまさに期待通りの美味しさ! 言わずもがなビールとの相性は最高です。
小籠包には千切り生姜と酢醤油をかけて頂きます。届いた袋には、“スープ入り蒸し饅頭”と書かれており「肝心の小籠包がないなんて」と思わず焦ってしまいました。その名の通り、スープがたっぷり入った小籠包の味も抜群です。
小籠包が好きで、台湾で小籠包食べ歩きの旅をしたことがある私。つい本場の味を求めてがっかりすることもありますが、さすがは中国政府公認の国家資格である「点心師」の資格を持つシェフ廣部さんの味です。スープの旨味を引き立てる、千切り生姜は必ず用意したいですね。
ふと気づけば、蒸し上げるひと手間をすっかり楽しんでいる自分がいました。蒸籠がなくても、簡単な蒸し台があれば美味しく蒸しあがること間違いなし。テーブルいっぱいに並ぶ点心を見れば、食べる前から幸せな気持ちになれます。
「今夜は点心パーティーだからね」と夫に伝えると、いそいそとなんだか少し早めに帰ってきたような。プロの中華をお腹いっぱいに食べるこの贅沢。美味しい点心を囲めば、会話もお酒もいつもより進みそうです。