サラダやスープに加えたり、洋風のメニューに登場したり。ご飯のおとも、という本来の食べ方だけでなく、最近では様々なアレンジで楽しまれている漬物。特に「東の山形、西の京都」と言われるほど独自の漬物文化を築いてきた山形県では、4年に一度、“漬物オリンピック”こと「山形県漬物展示品評会」を開催するなど、県を挙げて漬物の新たな可能性を追求し続けているそうです。
そんな山形から今回お届けするのがこちらの商品。平成26年に開催された、第13回山形県漬物展示品評会で農林水産大臣賞を受賞した、漬物の老舗『晩菊本舗 三奥屋』の「たくあんチョコレート」です。深刻化する漬物離れに拍車をかけるべく、若者向けに何かキャッチーな新商品を! というコンセプトで開発されたセンセーショナルなお菓子です。その狙いは功を奏し、発売するやいなや瞬く間に話題となり多くのメディアに取り上げられたのだとか。
「たくあんチョコレート」は、その名のとおり輪切りにした砂糖漬けのたくあんにチョコレートをかけた、いわば“漬物スイーツ”。ほどよい塩味が魅力の漬物と甘いお菓子のコラボレーションというなかなか斬新な試みですが、果たしてお味のほどは? 早速、確かめてみたいと思います!
チョコレートのかかっていない部分は砂糖に覆われていて、ほどよい弾力のある感触。見た目もたくあんそのままのごくシンプルな作りですね。口にすると、ほんのりレモンの芳香漂う砂糖衣の甘味、そしてたくあんの爽やかな酸味と漬物らしいほのかな香り。それとともにカカオのビターな風味が畳み掛けるように押し寄せてきます。この味覚の三重奏はまさに新感覚! たくあんとチョコレート、絶妙なマリアージュでかつてない和洋折衷スイーツに仕上がっていました。チョコレートのコーティングのパリッと感に、たくあんのシャキシャキ感。それぞれの食感のコントラストも楽しめます。砂糖衣のジャリッとした舌触りも心地よいアクセントに。
こちらの「たくあんチョコレート」、輪切りにした大根をレモン果汁と砂糖水に漬け込んで乾燥させた、「氷室たくあん」と呼ばれる製造元オリジナルの和菓子をベースにしたもの。浸して、取り出して乾燥させる。この一連の工程をほぼ手作業で約1カ月間何度も繰り返し、最後にコーティングをしてやっと出来上がるそう。1つひとつ手間ひまかけて、丹念に作られているんですね。
単に奇をてらっただけでなく、先人の知恵を活かししっかりと伝統を守りつつも攻めに転じた意欲的なスイーツ。お茶やコーヒー、ブランデーなどのお酒に合わせてもピッタリで、話題性もあり喜ばれること間違いなしです。
山形の老舗が贈る渾身の“漬物スイーツ”、ぜひ一度お試しください!