「加賀鳶」とは、江戸時代に活躍した加賀藩お抱えの火消し集団のこと。華麗な装備を身にまとい勇猛果敢に江戸藩邸を守る姿から、浮世絵や歌舞伎の題材になるほどの人気ぶりでした。
そんな「粋」な火消しをブランド名にしているのが、金沢の地酒「加賀鳶」。キレのあるすっきりとした飲み口を大切にしながら、辛さだけでなく旨みにもこだわる「粋」をコンセプトとしています。
醸造しているのは、金沢で最も長い歴史を誇る創業寛永2年(1625年)の酒蔵『福光屋』。霊峰・白山に降り注ぎ、地中深くしみ込んだ雨が100年かけて酒造りに適した水になるという「百年水」を使用し、400年近くも酒作りを続ける老舗です。
今回お取り寄せしたのは「加賀鳶」の人気トップが楽しめる「加賀鳶 3種 飲み比べ3種セット 720ml 化粧箱入り」。純米大吟醸、純米吟醸、山廃仕込み、3種の純米酒を飲み比べたいと思います。
まずは「加賀鳶 山廃純米 超辛口」からスタート!
力強く複雑な香りは、伝統の手づくり酵母を活かした山廃仕込みならでは。超辛口と銘打っているだけあって鋭いキレはありますが、決してトゲはない丸く濃厚な口当たり。穏やかな酸味と深いコクも感じ、「粋」というコンセプトがよく実感できる味わいです。
一方「加賀鳶 純米吟醸」は、ふわりと広がるフルーティな吟醸香が特徴。ブワッとふくらむような旨みを感じるのですが、すぐにスッと消えるため後味はすっきり。吟醸香だけが口に残る余韻がたまりません。
「加賀鳶 純米大吟醸 藍」は大吟醸らしく豊かで華のある香り。透き通るような飲み口でありながら、しっかりと旨みや酸味も感じます。燃え上がるように香りと味が広がるのは、ほんのわずかな間だけ。なるほど、この一瞬のキレ味を腕のいい「火消し」に例えているのかもしれません。風味が繊細な大吟醸は合わせるつまみに悩みますが、力強くキレのある「加賀鳶」の場合は幅広い料理と楽しむことができそうです。
金沢市は日本一おでんを食べている地域ということで、本日のつまみに採用。おでん自体に華やかさはなくとも、大吟醸の香りが加わることで一段と上質な料理に感じられました。鋭いキレ味で口を爽やかにリセットするのに最適だったのが超辛口。香りと味のバランスが良い純米吟醸も非常に安定感があります。
1種の日本酒に対してあれこれ料理を試すことはあっても、1種の料理に複数の日本酒を合わせたのは今回が初めて。飲み比べ3種セットをお取り寄せしたことで、お酒の楽しさが広がるよい機会になりました。ほかにも色々な料理と合わせ「加賀鳶 3種 飲み比べ3種セット」の粋な魅力を引き出したいと思います!