愛媛県の南予・宇和島エリアと言えばミカンの産地。今から200年以上も前、江戸時代の終わり頃から栽培を開始し、昭和43年(1968年)には県内の生産量を全国1位に押し上げるほどの特産品となりました。
温暖で晴れの日が多い地域のため、良質なミカンが育つ条件が整っていましたが、ここ十数年で状況が変わり、現在は和歌山県に生産量1位の座を奪われています。その大きな要因は地球温暖化。より南国に近い気候になったことで、段々とミカンの栽培が難しくなってきたのです。
そこで2006年(平成18年)頃から生産に力を入れ始めたのが、イタリア南部の代表的な柑橘類であるブラッドオレンジ。温暖化を逆手に取り、全国初となる本格的な栽培に着手しました。
さて今回、えひめ南農業協同組合『JA EHIME SOUTH』からお取り寄せしたのは、ストレート果汁100%の「ブラッドオレンジジュース 720ml × 2本」です。添加物などは一切使用しておりませんが、ブラッド=血のような赤みを帯びています。
その理由は、赤ワインなどと同様の色素成分アントシアニンが含まれているから。抗酸化作用があり、美容や健康への効果が期待されている成分です。
そこで南予・宇和島エリアでは地域が一丸となり、特殊なシートで雨水が土壌に染み込む量を調整したり、タイミングよく樹形を切りそろえたり、アントシアニンを増強する栽培法を確立。高鮮度を保つ加工技術なども考案し、試行錯誤の末に世に送り出されたジュースは、2017年のフード・アクション・ニッポン・アワード100選入賞を果たしています。
さすがは南国原産の果実。暑さを吹き飛ばしてくれそうな、搾りたてそのままのフレッシュな香り。太陽からの恵みを蓄えているだけあり、甘味は力強く、まろやかでコクもあります。そして酸味は、南予・宇和島エリアのリアス式海岸に吹き付ける風のように爽やか…。
やはりフルーツの高品質化は日本のお家芸。ブラッドオレンジにおいても栽培開始からわずか10年で、本場イタリアに勝るとも劣らない品質に仕上がっているようですね。
フリーザーバッグに入れて冷凍したジュースを砕いて粉々にし、もう一度凍らせることでブラッドオレンジ100%のシャーベットを作ってみました。爽やかな酸味がより前面に出ながらも、解けながら広がる優しい甘さや果実感。ジュースよりも、すっきりさっぱり楽しめるため、お肉料理などのデザートにオススメです!
柑橘類好きにはたまらない味わいの「ブラッドオレンジジュース 720ml × 2本」。これだけ美味しいジュースが飲めるなら、地球温暖化も悪いことばかりではないのかも!?