今回お取り寄せしたのは「桜六方焼とチョコ六方焼のセット 各4個入×2セット」です。六方焼というのは、中に餡が入った長方体形をした饅頭のことを言います。長方体の六面を焼き上げていることからその名がつきました。同じく長方体でおなじみのきんつばと同じように思われがちですが、きんつばよりも生地に厚みがあり、こしあんが使われることが多いようです。
作っているのは、京都にある和菓子専門店『祇園鳴海屋』。祇園祭で知られる八坂神社の西楼門の前に昭和6年(1931年)からお店を構えている菓子舗です。お店の一番のこだわりは徹底した手作りによる製法。今では珍しくなった石臼で毎日手つきしたお餅を提供しています。そのお餅を使った餅菓子をはじめ、お団子やおまんじゅう、わらび餅など京都の人々にとって馴染み深い伝統的な和菓子が並んでいます。
その中で焼き菓子に関しては、ごく控えめに洋の味わいを取り入れたアレンジもしており、今回ご紹介する「桜六方焼とチョコ六方焼のセット」もそのひとつです。
親しみやすいパッケージで、中は4個入りの個包装になっています。片手に乗るぐらいの大きさの小箱なので、ちょっとした手土産にぴったりですね。チョコの六方焼にはハート、桜の六方焼には桜の焼印が押してあります。
桜の六方焼は、触っただけでしっとり感が伝わってきます。桜葉の塩漬けを入れた餡は目にも美しいピンク色。上品な桜の香りと優しい甘さが口の中に広がります。お花見しながら食べたい気持ちになりますね。
チョコの六方焼は白餡にミルクチョコを入れて焼き上げています。桜の六方焼とは違い、しっとりという感じではなく、外側は“きんつば”の角のようなしっかりした硬さがあります。餡が隙間なくぎっしり入っていてチョコの味がほんのり。主張しすぎることはなく、あくまでも和菓子なのだな、という味わいです。
同じ六方焼でもこの2種類はそれぞれ食感も味も全く違うので、比較してみるのも楽しいですよ。
滋味深く素朴な味わいの六方焼はお茶受けとしても抜群の存在感を放ちます。緑茶やほうじ茶など日本茶ならなんでも合いますし、紅茶と合わせてもとても美味しいです。
私のオススメは、塩漬けやシロップ漬けにした桜の花びらを浮かべたお茶(緑茶でも紅茶でも)と一緒にいただくというもの。桜茶によって風流な彩りが添えられ、ちょっとしたお茶の時間が華やぎます。優しい甘さの六方焼と一緒にいただくことで、しみじみとした気持ちになれるでしょう。