「蒲鉾」と聞くと、木の板に乗っかった半円形の商品が思い浮びます。紅白の蒲鉾は、おせち料理の定番ですね。しかし、今回紹介する蒲鉾はちょっと違う。『川内屋』さんの「鮨蒲6本入り」です。
届いた箱の蓋を開けてみると色とりどりの商品が詰められていました。パッケージを見てみると6つとも種類が違うようです。どんな味なのか気になります。
ちなみに「鮨蒲」は「すしかま」と読みます。皆さん知っていましたか？お恥ずかしい話、私は今回初めてお目にかかる食べ物でした。商品をよく見ると蒲鉾の上にお寿司のようなネタがのっています。
真空パッケージを開け、一口サイズに切り分けてお皿に並べてみました。盛り付けが終わるとますますお寿司に見えてくる。蒲鉾とネタ本来の味を確かめるために、今回は醤油などを付けずにいただくことにします。
まずはさよりを手にとって一口。うん、弾力ある歯応えは蒲鉾そのもの。舌触りは滑らか。歯切れよく噛む度に白身魚の甘味が口中に広がります。そこにほどよい塩気が加わることで絶妙な風味です。そして肝心なネタ。さよりのホロホロと崩れる身をしっかり感じられます。味付けは至ってシンプル。本来の淡白な味を感じることができました。
醤油とワサビでいただいても合うはずですが、このままでも充分美味しい。お寿司ならお茶を飲みながら食べたいものですが、今回は日本酒を用意して正解でした。
他のネタもいただきましょう。あなごはふっくらした身の柔らかさが絶品。甘すぎない味付けが上品です。紅鮭は赤身魚のしっかりした歯応えの中に、塩気はなく鮭の香ばしい風味が抜けていきます。ウニはあの濃厚な味をしっかりと堪能することができます。天然ぶりは6種類の中で一番しっかりした食感でした。ホグホグと崩れる身からは煮付けを食べたときの醤油と砂糖、出汁の風味が染み出してきます。そして、甘エビはなんと蒲鉾の中に甘エビがそのままの姿で入っていました。噛むとプリプリの食感が現れるのです。
これは、その一つ一つが手の混んだ料理をいただいているようです。初めての味わいでじつに美味い。
年末年始には故郷へ戻る人も多いはず。新年はこちらの商品を食べながら親族と過ごしてみてはいかがでしょうか。素晴らしい一年の始まりになるはずです。
