お湯を注いだら、尾頭付きの海老が飛び出した!それだけでも歓声ものなのだが、すや亀さんの素敵なところは味にも妥協がないところ。
エキスを使わず、鰹と昆布から取った出汁なので、インスタント特有の「何かの旨味」的な味わいが無い。シンプルにうまい出汁と味噌と具の味だから尚更手抜き感が無いのだ。
長野の方言で「ずく」とは、やる気、気力、根性という意味なのだそうでやる気も気力も入れなくていいから、美味しいお味噌汁を召し上がれというメッセージが育児、仕事に追われる我が身に沁みる...。
寝坊した日の朝ご飯、味噌汁を作れなかった日の旦那さんのお弁当と何度となく助けて頂いている訳です。フリーズドライという風味や具材の味わいの変化を最小限に留める製法を選ばれているところも、創業から116年味噌と真摯に向き合う老舗の「味噌への愛情」を感じ、個人的にはツボなのである。
息子はエリンギとえのきがゆらゆらと顔を出す姿に喜ぶが、ゲストにはやはり甘えびか。
甘えびのお味噌汁の時は、あえて蓋付きのお椀で提供してみるのもおすすめ。