無性におでんが食べたい夜がある。目の前に立ち上る湯気の形を愛でながら、燗をつけた日本酒をクイッとやりながら。そんな時にはおでん種を買い込んで、いつもより大きな鍋でグツグツとやるのだが、いかんせん、ベースのダシや調味料を変えてみても大体同じ味に行き着いてしまう。いつものおでん種からいつもの出汁がたっぷりと出てくるのだから当然と言えば当然なのだが、毎度これでは正直なところ食傷気味。手軽に自宅と違う味を楽しむにはコンビニおでんも悪くないが、それこそ平均化された“いつもの”味だ。ああ、今まで食べたことがないおでんを食べたい。そんな時にふと思いついたのがお取り寄せ
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ついに見つけてしまったかもしれない、最高の塩サバを。ホームパーティやイベントなどで僕が作る料理を食べたことがある人ならば、サバを食材として多用しがちということに気づいているかもしれない。何が言いたいのかというと、サバが好き、大好きだってこと。特に塩サバは一番の好物で、これと温かいごはんがあれば、他は何もいらない。だからこそ、見たこと無い水産加工会社の塩サバを見つけたら必ず買って試すようにしている。感動したのは、伊賀の里でとある秘密の会合に参加した時に、ゲストのひとりが持ってきたノルウェー産のサバ。あの脂と旨味が忘れられない…と思っていたらですよ!それを軽々超え
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そのひとは牛タンが好きだった。焼肉に行くと、まずは上タン塩、途中で並タン塩、〆に上タン塩……どんだけ好きなのよ、って頼み方してたっけ。毎月、給料日後の週末は、決まって経堂(東京・世田谷区)にあるレトロだけど抜群に旨い焼肉「明月館」に行ったもんだ。そんなことを、このロースト牛タンが届いた時にふと思い出して、なんだか口の中にほんのり苦味が広がった。京都の『下鴨茶寮』と言えば、押しも押されもせぬほど有名な老舗料亭だ。昔、日本茶の本を作っている時に取材をしたこともある。そんな料亭が作るロースト牛タン、どうしたって気になるじゃないか。まずは冷蔵庫でゆっくりと解凍させたら、何も付けずに
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