私の母はイカの塩辛づくり名人です。新鮮なイカをさばいて塩を控えめに、ゆずをたっぷり搾り入れた塩辛は家族みんなの好物でした。ゆえに、買い求めた塩辛に心動くことはあまりなかったのですが、この隠岐・海士の寒シマメ漬けには久々に興奮しました。
まず、シマメとは隠岐の言葉でスルメイカのこと。なかでも寒中、肝にまで旨味がのったものを寒シマメと呼ぶそうで、その肝をたっぷり使った肝醤油に漬けこんだイカは100グラム(2人分)ずつ小分けにされています。
これをそのまま冷凍庫に放り込んでおいて、使いたいときに取り出せば数分で解凍できるので「もうあと1品」というときに便利。そのおいしさをピュアに味わうならごはんにのせてかっこむのがいいのですが、私がとくにおすすめするのはパスタ。
2人分なら、キャベツをパスタと一緒に茹で、にんにくと唐辛子でペペロンチーノを作り、火をとめる直前にこの「寒シマメ漬け」を1パック丸々投入。火をとめて予熱でかき回せばできあがり。お好みで塩を加えて、こってりがお好きならバターをひとかけ落としてもおいしいと思います。
あ~、また食べたくなってきちゃった。