今朝の朝ご飯は「きっかわ」の鮭の生ハムで攻めた。炊きたてのご飯を用意して、鮭生ハムを一枚食べては、ご飯を描き込む。次に、ご飯を生ハムで巻いて食べる。ああ止まりません。生ハムのしなやかな身が、ご飯に甘えるようにしなだれて、唇を通過する時の感触が、なんとも優しい。いつもの焼き塩鮭とは違う、熟れた丸い塩気が酒の滋味や脂の甘みと自然に馴染んで、エレガントが生まれる。生ハムに抱かれた熱々のご飯が嬉しそうにしている。だから巻く手が、口に運ぶ手が止まりません。さらに寿司風に握ってもみた。ああこれもいけませんね。もう一貫もう一貫と、ますます握りたくなってしまう
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ローストビーフを包んでいた袋を破った瞬間、柚子が香った。マリネ液で、てれんと輝くローストビーフが艶かしい。早速薄く切った。しかし、ただ薄く切ったのではない。1ミリほどと5ミリほどに分けて切ってみる。こうして切れば、食べ進むのが楽しいじゃありませんか。クレソンとキャロットラペを従えて、ローストビーフを横たえる。まず素のままで食べてみよう。しなやかな肉に歯が包まれると、肉の香りが立ってエキスが舌に溢れ出す。ゆっくり噛んでいくと、またふっと柚子の香りが立って鼻に抜けていく。この塩梅がいい。後ろのそっと控えている、柚子の香りがいい。さあ次の一枚は、わさびを中に包んで食べてみよう。それもまた、わさびの刺
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長い。55㎝ある堂々たる姿である。袋を破ると、あたりに香ばしい燻香が漂った。「塊で食べてね」。そうベーコンが言っているので、厚めの拍子切りにし、弱火でじっくり炒めてから、ニンニク薄切りと椎茸細切り、シメジを投入し、白ワインを振り入れて、茹で上がったスパゲッティーニと手早く和えた。上から黒胡椒を挽いたら、すぐ食べろ。スパゲッティーニがプツンと弾けた端からベーコンが歯に食い込む。塩気が広がり、肉に歯が入る。グッと力を入れれば脂が甘い香りを放ちながら溶け、燻香が鼻に抜けて食欲を鷲づかむ。キノコもこんな凛々しいベーコンと出会って嬉しそうで、いつもより生き生きとしている。フォークを運ぶ手が止まらない。4
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