子供の頃によく食べていたお漬物の1つに松前漬があります。松前漬とは北海道の郷土料理で、昆布とスルメを細切りにして数の子やにんじんと一緒に醤油、みりんなどに漬け込んだもの。私は北海道に住んでいたので、お中元やお歳暮でいただいて食べる機会が多かったのです。
子供だった私にとってはネバネバした塩辛いものという印象でしかなかったのですが、大人になった今、改めて食べてみるとその美味しさが良く分かるようになりました。
今回は、私にとって思い出深い松前漬の中でも、特にオススメの「グルメ数の子松前漬」をご紹介します。
松前漬けは、北海道の西南地方の二股に分かれた半島の函館とは反対側の一番端に位置する松前が発祥の地とされています。明治時代、松前では日本海を北上してくる良質のイカがたくさん獲れたので、それをスルメに加工して食べていました。また、この辺りは昆布の産地としても有名で、スルメと昆布を合わせて醤油に漬け込んでおいたら発酵してとても美味しい食べ物が出来た! というのが松前漬けの始まりなのだとか。
「グルメ数の子松前漬」を作っているのは『函館カネニ』。北海道近海で獲れた魚介の直売所など約280店舗が軒を連ねる「函館朝市」に店舗を構えており、観光客や地元の人たちに親しまれている明治30年創業の老舗です。
一般的な松前漬けとの違いは、なんと言っても大振りの数の子がこれでもか! と贅沢に入っていること。もう一つは、函館近海でしか採れない「がごめ昆布」をたっぷりと使っていることです。「がごめ昆布」は他の昆布にはない独特のぬめりが特徴ですが、そのぬめりの主成分が成人病予防など健康に良い効果をもたらすことが分かっています。
他に真昆布など数種類の昆布と刻んだスルメを特別な配合で混ぜ合わせ、秘伝のタレに長時間漬け込んだ数の子と一緒にしていきます。食材の割合が少しでも変わると味も変わってしまうそうで、混ぜ合わせる作業はすべて手作業で行われています。厳選された食材と受け継がれてきた職人の技が味の決め手となるわけですね。
松前漬は塩辛いイメージがありますが、「グルメ数の子松前漬」は塩分控えめで甘めの味付けです。そのまま食べても美味しいですし、酒の肴やご飯のお供に最高です。
アルデンテに茹でたパスタに松前漬を和えるだけの簡単アレンジも絶品! 数の子は小さめに切って加える方が美味しくなります。また、松前漬は調味料としても優秀なので、青菜と和えたり、チャーハンやうどんに入れたりすれば味のアクセントになりますよ。
北海道の豊かな海が育んだ素材と秘伝の製法で作られる「グルメ数の子松前漬」は、一度その味を知ってしまったらまた食べたくなる、リピーター続出の逸品です。ぜひご賞味あれ!