餃子は皮で餡を包んだだけの料理ですが、味に個性が出やすい食べ物です。皮の食感は様々で、包まれる餡も使う食材によって異なります。さらに、焼く、茹でる、揚げるといった調理方法でも味わいが変化するので、そのバリエーションは無限大。一言で“餃子”と言っても、食べるまで分からない千差万別の味こそ、この料理の魅力の一つではないでしょうか?
オンワード・マルシェで注文できる数ある餃子の中で今回セレクトしたのは、『はちやの餃子』の「頑固餃子 10個入×4袋」。多くの商品が、エビ餃子とかシソ餃子など、使われる食材からネーミングされている中で、「頑固餃子」とは一体どんな餃子なのでしょう。
手掛けているのは、大正13年(1924年)に創業した、宮城県にある老舗餃子専門店『はちやの餃子』。その頑固なこだわりは、まず食品添加物を一切使っていない点にあります。そして、餡には国産野菜と宮城県産の豚を100%使用。さらに『はちやの餃子』の2代目が満州で学んだ中国の伝統餃子を再現するため、試行錯誤を繰り返した結果、餡には本場と同様にニンニクとキャベツを一切使用していません。
調理方法はとても簡単。冷凍状態で届く「頑固餃子」を、少量の油を入れて熱したフライパンの上にそのまま並べて、餃子が半分浸かるほどの水を注いでから蓋をして強火で蒸し焼きにしていきます。所要時間は約5~6分。「ジュー」っという音が「パチパチ」に変わったら、蓋を取って油を少量入れて焼き目を付けましょう。
出来上がった「頑固餃子」を一口頂くと、皮はまるでワンタンのようなつるりとした舌触りがありながら、コシのある弾力が心地いい食感。肝心の餡からは白菜の甘味と豚肉の旨味が溢れ出し、さらにショウガの風味が絶妙です。味付けに使われている調味料は、砂糖や塩、醤油やりんご酢といったシンプルなものだけなのですが、ギュッと凝縮された素材の旨味がしっかりと口中で主張してきます。
今回はアレンジとして、酸辣湯を真似て作ったオジリナルのタレをかけて、パクチーと共に味わってみました。パクっと口に運ぶと、タレの味にパクチーの独特な風味がベストマッチ。東南アジアの料理のように、少しエスニックなテイストに変化しました。しかし驚くべきは、これらの個性が強い味のなかでも、しっかりと主張してくる「頑固餃子」の存在感です。埋没するどころか、輪をかけて旨味が際立ってくるのです。
「頑固餃子」は少し大ぶりで食べ応えも充分。蒸し焼き以外にも、茹でて水餃子にして楽しむのもいいですね。ビールのお供に、ご飯のおかずに、老舗が生み出す抜群の味を堪能してみて下さい。