豚の角煮は珍しい料理ではないですが、一口食べて驚いたのは今回が初めて。
まず衝撃的だったのが、その食感。パッケージから取り出した瞬間にすでに身が崩れそうなほど柔らかく、口に運ぶと期待通り脂身が舌の上でとろけてしまいました。しかし残った肉には食べ応えがあり、噛む度に煮汁の甘味とジューシーな肉汁がしみ出てきます。煮汁の味は絶妙で、しつこさは全くなく、ほんのりショウガの風味が漂い、しとやかな甘味に仕上がっているのです。
お取り寄せしたのは九州の長崎県にある老舗の料亭が手がける「豚大トロ角煮 8個入」。そこで提供される長崎の伝統料理である豚の角煮を自宅で楽しめるのが今回の逸品になります。
商品について紹介する前に、皆さんは長崎と角煮の関係をご存知ですか? その関係を知るためには、およそ200年前までさかのぼる必要があります。
当時の日本は鎖国を行い、諸外国との貿易を禁止していました。しかし、日本で唯一オランダやポーランド、中国と貿易を行っていたのが、長崎にあった出島です。異国との交易の結果、長崎には様々な外国文化も流入し、それらが融合することで誕生したのが、今に伝わる卓袱(しっぽく)料理。日本、中国、オランダの食文化が交ざり合うことで生まれたため、和華蘭(わからん)料理とも呼ばれています。そして現在では長崎の郷土料理として親しまれている卓袱料理を代表する一品こそ、角煮なのです。
老舗料亭が手掛ける「豚大トロ角煮」は、大鍋で丸2日間煮込むことでようやく完成します。
煮汁に使う調味料は、砂糖、醤油、酒、そしてショウガのみ。隅々まで味がしみ込んだ角煮を一つずつ丁寧にパッケージに詰め、凍らせた状態で届けられます。食べる時は、冷凍状態で約10分、自然解凍した状態で約5分、湯せんで温めてからいただきましょう。
お箸ですっと切れる「豚大トロ角煮」を丁寧につまんで口に運べば、再び至福の時が訪れます。単体でも充分美味しいのですが、せっかくなのでアレンジ料理を作ってみました。
お好みの具材を「豚大トロ角煮」と一緒に煮込み、溶き卵でとじれば玉子とじ丼の完成です。煮汁も余すことなく使えるのがいいですね。黄身のまろやかさと白身の舌触りがプラスされて、ますます味と食感に奥深さが出ました。他には、チャーシューの代わりにチャーハンの具材として使ってもいいですよね。
自宅で味わうだけでなく、大切な人へのギフトにも最適な今回の逸品。長崎の老舗料亭に受け継がれる伝統の味を、ぜひ家庭の食卓でご賞味下さい。