しそ巻は、東北地方で親しまれている郷土料理のひとつ。味噌やクルミをしそで包んで油で揚げたり、炒めたりするのが有名な調理法ですが、今回ご紹介する商品のひとつにあるのが、いわき名物として知られる、大根の漬け物のしそ巻です。
創業者である長久保ツネさんの名を冠した『長久保のしそ巻本舗』は、その名の通り、しそ巻の老舗です。昭和9年(1934年)、ツネさんが試行錯誤の末、完成させて以来、しそ巻は地元で大人気となり、今もいわきのふるさとの味として皆に愛され続けています。
そんな「長久保のしそ巻」で使われているのは、1年間もの間じっくりと塩のみで漬け込んだ大根。それを半年から1年弱の間、塩漬けしたしその葉で包み、本醸造醤油に三度漬けて仕上げています。その工程のほとんどが手作業で行われ、1日に千本以上を巻く熟練のスタッフさんもいらっしゃるそう。時代を経ても創業当初から変わらない製法に、老舗の矜持がうかがえる逸品です。
今回ご紹介するのは、その「長久保のしそ巻」を始め、『長久保のしそ巻本舗』の人気商品を集めた「長久保の漬物詰合せ 彩(いろどり)」。大根と人参をしその葉で巻いた「根菜漬」、しその葉を巻いたきゅうりを人参の周りにあしらい、花に見立てた「きゅうりの華」。そして、王道の「きゅうりの味噌漬」と「長ごぼう」を揃えた、彩り豊かでバラエティに富んだセレクションです。
「長久保のしそ巻」は、口にするとパリッとしその葉が弾ける感触の後に、シャキシャキとした大根の小気味いい歯ごたえが楽しめます。素材が驚くほどみずみずしいのは、手間ひまかけて作っているからこそ。ちょうどいい塩加減で、わずかに感じる唐辛子の辛味がアクセントに。そこにしその爽やかな香りが彩りを添えてくれます。シンプルながら味わい深く飽きの来ない味で、ご飯のおともにもぴったりでどんどんお箸が進んでしまいますね。
「根菜漬」は、塩漬けした人参がとても鮮やかな色合いです。こちらもポリポリとした大根と人参、パリッと弾けるしその葉との食感のコントラストが魅力。食べやすいひと口サイズですが、しっかりした噛みごたえなので食べ出がある一品です。
何種類かを合わせて、漬物茶漬けにしてみました。たまり醤油にじっくり漬け込んだ「長ごぼう」と信州味噌に漬け込んだ「きゅうりの味噌漬」が味をグッと引き立ててくれます。余分な味付けは必要ないくらい、滋味深い味わいのお茶漬けを堪能することができました。
長久保ツネさんが長年研究を重ね、やっとの思いで完成させた『長久保のしそ巻本舗』の漬物。香り、味わい、食感、どれも抜群のバランスの良さで80年以上もの間人気を保ってきたというのも納得のクオリティです。「長久保の漬物詰合せ 彩(いろどり)」は見た目も華やかで、上質な贈り物としてもピッタリ。いわきのソウルフード、しそ巻をぜひ一度召し上がってみてはいかがでしょう?