合鴨を放ち、農薬不使用。有機農法によるこだわりの米作り

滋賀県は琵琶湖の東岸、水と緑に恵まれた風光明媚な土地で、祖父の代より米を作り続ける『フクハラファーム』。
有機JAS認証取得米、農薬不使用のお米のほか、滋賀県の認定する「環境こだわり農産物」の基準を満たしたお米など、「食の安心・安全の追求」をモットーに11の品種の米を栽培しています。
なかでも作り手の愛情を込めたものが、有機JAS法に則り、農林水産省が定めた厳格なる基準をクリアした合鴨農法によるお米。
苗を植えた田んぼに合鴨の雛を放ち、合鴨が飛び回ることで田んぼの水が濁り、雑草の発芽を抑えるばかりか、害虫をも駆除します。
それが農薬を使わず、健康的な米栽培を可能にしているのです。
ただし、それも数多くあるこだわりのうちのひとつに過ぎません。
農産物の基本は、土作り。
秋の収穫後から始まる翌年に向けた土壌を作りはじめ、春には苗の成長を左右する“代かき”を丹念に行い、さらには田んぼを均平化。
自家製の大豆入り米ぬかペレットを散布するなど、有機肥料を使いながら田んぼを最適な状態へと作り上げていきます。

美しき農村文化を守る。先代から継承される哲学が美味しい米を育む

「先代から受け継がれる米作りの大切な哲学のひとつ。それが美しい田んぼを守ることにあります」
そう話すのは代表の福原悠平さんです。
その真意を問えば、それは、この一帯の農村文化の継承にも繋がるものでした。
というのも、まず美しい田んぼには、雑草がありません。
害虫などの被害も少ないため米も当然、健康そのもの。
それは、手入れや目が行き届かない田んぼでは実現できないこと。
つまり、美しい田んぼを保つことは、自ずと米自体に愛情を注ぐことにも繋がり、ひいては米の美味しさにも関わってくるのです。
「今からおよそ30年前、先代が兼業農家から米一本で食べていく専業農家へ転身する決心をしました。はじめは小さな農家でしたが、周りの生産者の高齢化、後継問題で、まだ若かった先代に『福原さんのとこで田んぼを見てるくれねぇか』との声が多くあったようです」
耕作放棄地になれば、美しい田んぼの景観は失われてしまう。
先代は、周りの農家の声に応えるように徐々に栽培面積を増やしていったそうです。
美しき農村文化の継承。
現在の『フクハラファーム』の哲学はその当時から培われてきたものなのでしょう。

手をかけて育て上げた米。最新機器を導入し、美味しさ、品質を安定化

田んぼでは人の手がしっかりとかけられる、『フクハラファーム』の米作り。
しかし、一旦稲を刈り取れば、そこから先には大切に育て上げた米の美味しさや品質にバラツキが出ぬよう、最新の設備を導入していきます。
その第一段階が米の乾燥。籾の状態の米を4台ある低温乾燥機を使い、ゆっくりと米の水分度を調整していきます。
「1時間でおよそ0.6~0.8%ほどの水分を除いていきます。理想は14.5%前後。米の状態にもよりますが長いと乾燥だけで1日くらいかかるんです」と福原さん。
急激に乾燥させれば、米のひび割れにもつながるばかりか、風味や香りまで飛んでしまう恐れがあるといいます。
そして、籾摺プラントで玄米にされると、選別機にかけられ、米の大小、色合いなどで良質な玄米だけを厳選していきます。
「これも美味しさや品質の安定を追求した結果なんです。設備としては、おそらく小さな農協さんくらいはあると思いますよ」と笑う福原さん。
有機JAS認証取得米に、環境こだわり農産物認証を受けているお米。
その美味しさの秘密は、美しい田んぼ作りと最新設備、そして作り手の情熱によって支えられているに違いありません。