業界大注目の岡山発ワインワイナリーが、いよいよ始動

今年、日本ワイン業界で、大注目を集めているワイナリーがある、2016年9月、自社畑のぶどうのみでワインを造ることを目指した「domaine tetta」がそれだ。
岡山空港から車で山道を2時間弱。
その間、行き交う車の少なさに、なかなかの田舎だと感心していたのだが、突如、緑の中に現れたスタイリッシュな空間に、「著名な美術館?」と戸惑ってしまったほど。
そう、この山間に姿を表したコンクリートの美空間こそが、「domaine tetta」なのだ。岡山県新見市哲多町にあるワイナリーだから名前はtetta。
なんとも潔い。元々は耕作放棄地で荒れていたぶどう畑を、地元出身の高橋竜太さんがなんとかしたいと立ち上がったのが2009年。
生食用のぶどうづくりをする内に、土壌がフランスのシャブリや北イタリアの銘醸地に似た石灰質だと知る。
「なんと3億年前の石灰岩が広がり、畑を訪れれば土の中からは石ころがごろごろと顔をのぞかせる。これは面白いと、ワイナリー設立に舵をきることに」。
高橋さんはそう事も無げに話すが、莫大な費用のかかるワイナリー建設、ツテというツテ、つながりというつながりを大切に、さまざまな人脈にコンタクトを取り、なんと40人近い出資者を募ったのだ。

ワインを媒介にさまざまな人脈が、岡山でのワイン造りをバックアップ

その中のひとりが片山正通さん。世界で活躍するインテリアデザイナーも岡山出身ということで、高橋さんの情熱にほだされ、このスタイリッシュな空間をデザインしてくれたというのだ。
そして、この人抜きに話しが進まないのが、栽培醸造担当の片寄広郎さん。
今まで長野や山梨のワイナリーに自社で作ったぶどうを委託醸造してもらっていた前進の「TETTA」なのだが、ブルゴーニュとシャンパーニュで3年ずつ修業を重ねた片寄さんが仲間に加わり、一気にドメーヌ化が現実味を帯びてくる。
ドメーヌ化とは、自社で作ったぶどうでワインを醸造するワイナリー。
そう、いよいよ社名も「domaine tetta」に代わり、この哲多町でしかできないワインを目指すことになったのだ。
「シャンパーニュも石灰質。なんか運命を感じますよね」と片寄さん。
栽培から醸造まで、そして自分が表現したいと思えるワインを目指していいことに、縁もゆかりもない岡山でのワイン造りを始めたのだ。
片寄さんがこの地で造ったワインのリリースはまだ先。
早ければ2017年にはお披露目になるという。

2016年ヴィンテージを楽しみに、まずは2015年で乾杯を

雨が多いという哲多町はワイン造りに好条件が揃っているわけではない。正直、厳しい部分もある。
だがしかし、寒暖差の激しい気候や3億年前の石灰質など、ほかにはないテロワールもある。
「果汁には糖も酸も加えずにいけるところまでいってみたい」と片寄さん。
一体、どんなワインに仕上がるのか? 怖さはもちろんあるというが、自分たちが作ったぶどうで自分たちが思い描くワインを仕込める。
高橋さんも片寄さんも、仕事中の横顔は実に清々しいのだ。
奇しくもオンワード・マルシェのスタートも2016年秋。
まずは、2015年、同社のぶどうで作られ、山梨で仕込まれたワインを味わっていただき、2016年ヴィンテージがリリースされるその時を一緒に待っていただきたい。