昔のように生き物が溢れる田んぼで、力強いお米を育む

田んぼを覗けば、トノサマガエルが稲の間をスイスイ泳ぎ、希少なクロメダカが群れをなす。
絶滅危惧種に指定されるアサギは水面に小さな黄色の花を揺らす。
これらすべては農薬に頼らない稲作だからこそ成し得た産物。
この昔ながらの里山の風景を守ろうと、富山県の老舗・精米機メーカー『タイワ精機』が、「安心・安全なお米を食卓に!」を合言葉に、周囲の環境の保全までを考えて生み出したのが姉妹会社の『タイワアグリ』であり、同社が生み出す「有機米 タイワ米」だ。
「1998年より始まった稲作。
2012年には生きた化石とも言われるカイエビが、この田んぼから富山で初めて見つかったんです」代表取締役専務の石仙博男さんはそう喜ぶ。
農薬や化学肥料を使った田んぼでは決して見ることのできない、生き物たち。
完全有機米にこだわった同社の試みは、長い苦労を乗り越え、着実に豊かな実りの季を迎えている。

米ぬかを使った雑草抑制に成功。有志の情熱で有機米は実を結ぶ

実はこの有機米、『タイワ精機』の社員が有志を募り、1998年に「タイワ有機稲作研究会」を結成。
以後、有機の米にこだわり稲作を続けてきた賜物なのだ。
ある者は朝一番に出社し、ある者は休みを返上し、本社工場に隣接するこの田んぼで、本業と並行しながら本当の意味での安心・安全を目指し、採算度外視で米作りに情熱を燃やしてきた。
そして同社の強みのひとつが精米機から出る米ぬかの有効活用。
この米ぬかを粒状に形成した米ぬかペレットを開発し、有機米の一番の問題である雑草の抑制に成功したのだ。
田んぼに撒いた米ぬかペレットが、水に溶け広がることで、陽光を遮り雑草の成長を抑制する。
お米から生まれた米ぬかなので、もちろん経済的にも環境的にも田んぼにやさしい。
これこそが同社の求めた完全有機米であり、誰もが安心して味わえるタイワ米なのだ。

富山県でしか作付けが許されていない幻の新品種も栽培

さらに同社の田んぼでは、メインとなる富山市産のコシヒカリ「有機タイワ米」のほか、古代米の赤米・黒米とコシヒカリを交配させて出来た富山県オリジナルブランド米「赤むすび」「黒むすび」も育てている。
こちらは富山県でしか作付けが許されていない幻の新品種。
古代米の高い栄養価と、コシヒカリの旨みと粘りが備わった今までにないうるち米で、毎日の白米に混ぜて食べるだけでおいしく栄養補給ができると評判に。
立山山麓から流れ出るおいしい水と、生き物が溢れる田んぼで作る有機米。
それらをさらにおいしく、安全で、健康的なお米にしていきたいという、社員の情熱は今なお熱く、同社の米作りを支えている。