日本における硬質陶器の草創期から続く一大ブランド

「食器といっても、私達の会社では食べるための道具としては捉えていないんです。料理やテーブルまわりのグレードを高め、ひいては“食”の時間にさらなる喜びをもたらすものだと思っています」。
ニッコーの社長・三谷明子さんはそう話す。
1908年に日本硬質陶器として創業したニッコーは、国産洋食器の黎明期を支え、日本における硬質陶器の普及に多大な影響を与えてきた。
当時は明治の末期、それまで和食一辺倒だった日本に、外国文化が流入し、生活は徐々に洋風化。
そんな時代背景とともにニッコーは企業として大きく成長してきた。
そのニッコーを代表するアイテムに1915年に発売された山水シリーズがある。
19世紀にヨーロッパでブームとなり、白磁に柳、庭の鳥、楼閣橋などが描かれた、いわゆるウィローパターンの食器だ。
そして現在、そのロングセラー商品とともにニッコーブランドの支えているのが、こだわりのファインボーンチャイナである。

骨灰の含有量を50%まで高めたファインボーンチャイナ

「“白”とひと口に言っても、いろんな色の白があるんです」
そんな三谷さんの言葉には、ファインボーンチャイナに対する自信が溢れている。
ボーンチャイナとは、簡単にいえば、原料に30%以上の牛のボーンアッシュ(骨灰)を加えた磁器のこと。
骨灰を加えることで陶器の透光性と強度は高まり、より美しい白磁に仕上がる。
が、その反面デメリットも。骨灰が多くなると成型性が悪くなってしまうのだ。
美しさを取るか、成型性を取るか。
ニッコーの辿り着いた答えは、その両方を追い求めることだった。
ニッコーのファインボーンチャイナは、骨灰の含有量を約50%まで高めることで、まさに驚きの白さを実現している。
事実、手にとって光に透かしてみると、皿の向こうに自分の手のシルエットが浮かび上がるほどの透光性を誇る。
一方で、成型性を両立させるという難題もニッコーは見事にクリア。
そこについては企業秘密ではあるが、企画・デザイン、製土、成形、焼成までのすべてを一貫して行っている会社がゆえの強みがあるのは確かである。

美しさ、デザイン性、強度。三拍子揃った皿が日常の食卓を彩る

そのファインボーンチャイナの白さだが、美しさの秘密を探れば、鉄粉除去をするなど、細部にまで行き届いたこだわりがある。
それはまさにニッコーのものづくりの根幹といってもいい。
成型、製土、乾燥させた素地の仕上げ、施釉などの工程には必ず職人の手作業が加わり、検査、梱包においても人の目が行き届く。
美しさを追求しつつ、成型性も兼ね備えた食器の意味するもの。
それは、あらゆるフォルムの成型ができるためのデザイン性に繋がり、さらに、強度もあるため普段使いの食器として食卓に並べることができるのだ。事実、ファインボーンチャイナのエクスクイジット、フラッシュなどのシリーズは、全国のさまざまなレストランに愛用されている食器でもある。
単なる食器ではとどまらない。
ニッコーのファインボーンチャイナは食とその時間を彩る大切なツールなのである。