老舗酒蔵より受け継いだ意志を胸に、小豆島で醸す新たな酒造り

1872年の創業より、香川県高松市栗林町で4代続く老舗酒蔵として知られていた「池田酒造」が廃業したのは、2005年のこと。
日本酒の販売量が減少するなかでの苦渋の決断だったという。
そんな中、同社の灯火を消すまいと立ち上がり、新たな酒造りを目指したのが「森國酒造」だ。
2005年、新たな酒蔵として、新たな場所に選んだのは、なんと瀬戸内海に浮かぶ小さな島・小豆島だ。
その理由は、酒造りの条件でも最重要とされる、清冽な水。
古くから醤油造りが盛んな小豆島には、酒造りにも欠かすことのできない、名水と呼ばれる地元・星ケ城山の湧き水があったのだ。
こうして、小豆島唯一の酒蔵として、少量でもいい酒を目指す「森國酒造」の酒造りは始まった。

思わず手に取りたくなる、女心をくすぐるネーミングとデザイン

「森國酒造」の日本酒を特徴づけるひとつに、そのデザインとネーミングの良さがある。
その一つが今回取り扱う、「ふわふわ」「ふふふ」などの島シリーズ。
蔵併設のカフェ兼ショップを覗けば、さらに「うとうと。」「びびび」など、なんとも可愛らしいネーミングの日本酒が並び、島を旅する女性が次々と手に取り、試飲し、購入していくのだ。
そう、デザインやラベル、ネーミングなどすべてを見直した新たな酒は、今や島きっての人気土産として確実に支持を集めているのだ。
一時は廃業にまで追い込まれた老舗酒蔵は、今新たな地で、島だかからこそ造り出せる唯一無二の酒を目指し、確実に、そして着実にその花を咲かせている。

島だからこそ生み出せる、唯一の酒を目指し挑戦は続く

「森國酒造」が目指す酒、それは実に明快だ。
穏やかな陽光が降り注ぎ、星ヶ城山から水が湧き、そんな環境ですくすくと育つ島の米を原料に醸す。
そう、小豆島だからできる島仕込みの酒。
たったひとりの杜氏が、手作業で仕上げる酒の生産量は、100石から150石とまだまだ小規模。
だからこそ出来る限り機械を使わず手作業にこだわっているのだ。
さらにこだわりは尽きない。
極力搾ったままの味を大切にするため、無濾過が基本、色の付いた、しっかり旨みののった味わいが特徴だ。
これが刺身などとともに島特産の醤油と合わせれば、なんとも言えないコクと旨みが合わさり、極上のマリアージュを楽しませてくれるのだ。
2005年とまだまだ新しい酒蔵は、かつての酒蔵の意志を受け継ぎつつ、新たな酒を目指す美しい可能性に満ちていた。