40年に亘り夫婦二人三脚で生み出してきた、一宮町で愛される地ワイン

「ワインの製造と販売をやっているワイナリーと言えば聞こえは良いですが、従業員は長らく私と妻のふたりだけ。40年以上二人三脚でやってきたんです」。
山梨県甲府市の隣、笛吹市一宮町で地元に愛されるワインを造り続ける堀内孝さんはそう教えてくれた。
販売経路も約8割が直接販売、残りの2割を酒販店や小売店へ出荷。
ぶどうの収穫から仕込み、洗瓶、瓶詰、販売まで、そのほとんどすべての作業を家族で行ってきた。
「小さなワイナリーだからこそ時代の流行りとともに、柔軟に変化できたんだと思います」と堀内さん。
もう何年も年間にして休みは数えるほどしか取っていない。
それでも、自分の思い通りに酒が造れて、ごはんが食べられる。あとは自然とともに生きられるのが楽しいと笑う。
そして、その想いは次世代へ。なんとひとり娘の旦那さんが、家業を継ぐ決心を固め、移住してきてくれたのだ。
ぶどう名産地・一宮町でまじめに紡いだ小さなワイナリー、その今後はますます楽しみだ。

好きだから続けられる。そんな素直な気持ちがワインの味にも

取材の時期は8月下旬、まさに収穫の真っ最中の畑にお邪魔できた。
甲州、マスカット・ベーリーA、サンセミヨン、シャルドネ、メルロー、次々と案内される畑で、たわわに実るぶどうを次から次に味見する堀内さん。
うんうんと頷いたかと思えば、取材班にも食べろ食べろと勧めてくれる。
この人、本当にぶどうが好きなのだ。
「そりゃ、そうだよ。好きじゃなかったらこんなに長くできないよ」と笑い、またぶどうの出来をチェックして回るのだ。
長い年月の間には、さまざまな品種を試し、垣根栽培や棚栽培でも一文字型など、試行錯誤を繰り返してきた。
そうして行き着いたのが、現在の棚栽培と、除草剤に頼らないぶどう作り。
だからこそ、完熟のぶどうは樹からもぎ、そのまま口へ入れても安心・安全なのだ。
「田舎のワインだから、おだやかで飲みやすい味。東京の人にうけるかな~」と堀内さん、今回オンワードオリジナルの3種を用意してくれた。

生産者と消費者を結ぶワイン。それこそが名前に込めた想い

Liaison(リエゾン)とは「結ぶ・繋ぐ」という意味のフランス語。
丹精込めて造ったワインを媒介に、生産者とお客様がつながることができればという意味を込めた。
「農家とワイン、ワインとお客様、一宮町と日本の各地、過去と未来がつながっていければ面白いですよね」と堀内さん。
畑での取材を終えて、事務所へ戻ると奥様が生食用のシャインマスカットと巨峰を、冷やして待っていてくれた。
「暑かったでしょ。少し休憩してくださいね」。
その言葉と爽やかなぶどうの香りで、暑さはすっと引いていく。
こういった造り手の想いを大切にしたいのだ。オンワード・マルシェと小さなワイナリー、そのつながりも大切にできればと、素直に思えた取材であった。