自分の身体を温めるために考案した、身体に優しいジンジャーシロップ

「自分のために作ったのが始まりだったんですよ」。
そう言って差し出されたのは、温かいジンジャーシロップの牛乳割り。
インドのチャイのようなミルキーな甘さを感じたかと思えば、じんわりと身体が温かくなってくるのが分かる。
「結構、生姜のパワーを感じますよね。病後、少しでも身体を温めたくて、たっぷり生姜を取る方法がないかなと思って、このシロップに行き着いたんです」。
そう話してくれたのは広島県福山市にある『ジンジャーダイヤモンド』の中尾圭吾さん。
元々は東京の広告代理店などでバリバリ働いていた中尾さんだが、30歳のときに膵臓の半分を切除するという大病を患い、病後もなかなか体調が戻らなかったという。
さらにアトピー性皮膚炎だったこともあり、食べるものから改善。
身体にいいもので、かつ温めてくれる生姜のパワーを試した際に効果てきめんだったことが、この仕事を始めたきっかけだ。
「同じような悩みで苦しんでいる人に少しでも力になれたら」と中尾さん。
じんわりと温まったのは生姜のパワーだけではない、こんな中尾さんの想いもきっとこのジンジャーシロップにはたっぷり詰め込まれているのだ。

余計なものは一切無し。採算よりも味と効果、安心・安全に重きを

中尾さんのジンジャーシロップは、自身で味わっていたものだから、とにかくおいしくて、身体にいいが基本。
余計なものが一切入っていないのだ。
メインは香り高い生姜、そこに愛媛県の岩城島でとれた15年間完全無農薬・ノーワックスで作られるビンテージ15レモン、さらに血行を良くするシナモンと、天然のミネラルを大切に作られたてんさい糖が入るだけ。
それをじっくりコトコト煮詰めていくと、生姜パワー全開のジンジャーシロップができあがる。
「自分用だからとにかく良いものを。上白糖は身体を冷やすと言われたので採算度外視で、てんさい糖に変更しました。レモンも無農薬、ノーワックスだからこそ、冷凍して皮ごと使っても安心ですよね。添加物とか化学調味料なんて考えもしなかったです」。
お湯や牛乳、炭酸水で割るだけで、極上の一杯が生まれるジンジャーシロップは、まさに良いものをつくりたいという中尾さんの情熱ででき上がっているのだ。

地元の伝統野菜であるはっとり生姜に出会い、さらに製品がパワーアップ

「こんにちは~、今日の分の生姜です~」。
取材の最中に工房に配達に現れたのは、生姜農家の梅田祐伸さん。
「せっかくなので、行ってみますか?」、そんな中尾さんの言葉に二つ返事で車に乗り込み、中尾さんが惚れ込んだという地元・福山市の駅家町服部雨木地区にある生姜畑を訪れた。
標高が高い同地区は、気温の寒暖差が大きく、ホタルが棲息するほどの水質を誇る。
「この地で採れる生姜は、色白で、肉質が柔らかく、爽やかな辛みと香りが特徴。昔からはっとり生姜と言われ、高い評価を得ていたんです」。
最盛期には生産農家が15軒いた同地域の生姜農家も高齢化の波に押され、中尾さんが出会った時には3軒を残すのみであったという。
そんな伝統野菜の火を消すまいと、“はっとり生姜プロジェクト”を立ち上げ、農家と中尾さんがタッグを組んだのだ。
「地元にこんなに素晴らしい生姜があったのはまさに運命だと思います」。
情熱が実り、現在は6軒の農家が生姜を栽培。
シロップの他にも、生姜ごはんの素など、生姜の味わいを伝えるアイテムで、その香りを届けている。