全国でも唯一、こだわりの“栄週米”を生産販売

まずは栄週米という耳慣れない言葉について説明しよう。
「栄週」とは、国内最高級ぶどうのひとつ・巨峰の作出者であり、理農学博士・大井上康氏が提唱した“栄養周期栽培法”の略称。
栄養周期栽培法とは、稲の発育周期に合わせ、必要な時期に必要最低限の栄養素(肥料)を与え、健康に育てる栽培法だという。
減農薬栽培で健康・安全が特徴、さらに味も抜群だという。
であるなら、なぜ浸透しないのか?「そりゃ、面倒だからですよ」と「イーストファームみやぎ」の代表である赤坂芳則さんは教えてくれた。
取材の時期はまさに収穫の真っ最中。スタッフを見ると意外にも若い人が多いのに驚いた。
「このままでは農業がダメになってしまうからね。栄週米もそうですが、大変でも自分でしっかり考えていかないと未来はないよ。やりがいあるものを作らないとね」と赤坂さん。
こだわりの栄週米は農協を通さず、直接消費者の元へ。
食べ手もやはりそのこだわりをしっかりと分かっているのだ。

農業で明るい未来のために、20年前より6次産業化に着手

年々、変貌していく米情勢に対応するため、栄養週期栽培法を取り入れ、消費者ニーズに応えるよう安全でおいしい米づくりを目指してきた。
そんな「イーストファームみやぎ」はいち早く6次産業にも着手。
「もう、20年以上前だよ。6次産業なんて言葉もなかった」と赤坂さん。
従来の生産中心の農家から大きく転換、加工販売部門を中心とする生産から販売に至る営業形態の農業生産法人として「イーストファームみやぎ」は誕生したのだ。
様々な形や味があるきねつき餅や栄週米で造ったお酒など、併設のショップでは自社のアイテムを販売。
大好きな美里町の風景を守るために、赤坂さんは日々、独自の挑戦を続けているのだ。

玄米で保管し、注文ごとに精米することで常にベストの味で提供

さらに赤坂さんの栄週米にはこだわりがある。
収穫を終えた栄週米は近代設備の整ったライスセンターへと運ばれ自然乾燥に近い温度で、籾を乾燥させ、その後、玄米に仕上げておく。
それを12~13度に管理した低温倉庫で1年間保管する。
そして、注文が入るたびに精米し、消費者へと提供しているのだ。米の収穫が真っ只中の取材では、この倉庫はほぼすっからかん。
新米を前に、昨年度の栄週米はめでたく、売り切れ状態となっていた。
「行き届いた管理状態で玄米のまま保管すれば、1年間新米に近い状態で、お届けできるんです。今年はもうありませんが」と赤坂さん。
今年の栄週米も非常に良いできだと笑った。