ふぐと言えば高級食材として人気ですよね。約2万年前、旧石器時代から日本各地で食べられていた形跡が残っているそう。多くの品種にテトロドトキシンという猛毒が含まれていることもあり、ふぐを楽しむのは世界的にも珍しい食文化なんですって。
そんな日本が世界に誇るふぐ料理のなかでも「奇跡の珍味」と称されているのが卵巣の糠漬け。なぜかと言うと、ふぐの部位でも特に卵巣は毒性が高いからです。その卵巣を1年ほど塩漬けし、さらに2年間お米のぬかに漬け込めば、毒素を完全に取りのぞけるのだとか。作るだけで3年という途方もない労力が必要ですし、さらにこの製法が生み出されるまでの年月や試行錯誤を考えると......気が遠くなりそうです。
ちなみにふぐの卵巣を食品として製造&販売するのが法的に認められているのは、石川県のごく限られた地域だけ。智恵と努力の結晶であり、本当に貴重で希少な食べ物なんですよ。
と言うわけで、今回は石川県にある明治17年創業の老舗醤油店、吉市さんから「ふぐの子醸し漬け」をお取り寄せ。"食の世界遺産"と言われている珍味を手軽に食べることができるなんて、本当に便利な時代ですよね。